その2〜CAT21Testについて
色見本 色見本2



ナホトカ号沈没事故と口の中の汚れ



 数年前の冬,日本海でロシアタンカーのナホトカ号の原油流出事故があったことは,まだ記憶に新しい。 被害は日本海沿岸に及び,なかでも福井県の越前岬沿岸に,多量の原油が流れ着いた。地元民や ボランティアの方々が,その除去にあたっていた。冬の荒波の中で原油をヒシャクですくう者, 岩に付いた原油を雑巾や竹べらで取る者,誰もが懸命に作業を行っていた。冷たい水の中で手は, 凍えて動かないことだろう。しかし,原油を取っても取っても,情け容赦なく,海岸に流れ着いていた。 この様子をテレビのニュースで流れていたが,誰もが怒りを感じながら見ていたと思う。(写真1,2)

 さてこのシーン,我々も診療をしながら感じることに似ているように思う。 一週間前の治療で, 乳歯の奥歯に銀歯を装着した。本日来院したので,その歯を見てみると,本来光っている銀歯が, 歯垢に覆われ,くすんだ色をしていた。(写真3) この状態が続くなら,また永久歯も同じ間違いを繰り返すことが目に見えている。思わずため息が 出てしまう。いったいこの子の親は,歯を治す気があるのだろうか?と考えさせられる。保護者に 伝えると"磨いているのですが,すぐに歯垢が付いてしまうのです。"と言われる。
図3
図3

 ところで,銀歯に付いた歯垢。これは岩に付着した原油と同じである。歯を磨くことは, 岩に付いた原油を取り去ることに相当する。原油を取っても取っても,原油は次々と流れて 岩に付着する。歯を磨いても磨いても,歯垢は付着する。  岩に付いた原油を取り去ることに精力を注ぐより,原油を流出し続けるナホトカ号に目を 向ける必要があることがわかる。(写真4)
図4
図4

 口腔内においても,歯垢を取り去ることのみを考えるより,歯垢の付着する原因について 考えたほうが近道ではないかと思う。齲蝕処置についても同様である。処置しても,不潔な 口腔環境により二次齲蝕を繰り返すケースが頻繁にみられる。自分の処置した充填物が, すぐに二次齲蝕に苛まれるのを,見るにつけ心が痛む。二次齲蝕の処置の繰り返しもまた, 岩についた原油の除去と同様ではあるまいか。(図5)

図1
図1

図2
図2
図5
図5



乳臼歯修復物の使用年数

図8
図8

図9
図9

 筆者らは,乳歯臼歯における修復物の使用年数について調査した。その結果, 初回処置後の乳臼歯修復物の使用率は,半年後で92.8%,1年後で77.8%,2年で 55.1%,2年半で45.9%となり,2年から2年半後には約半数の修復物が役割をは たしていないことがわかる(図8)。

 海外の研究(アマルガム)でも,ほぼ同じで乳歯修復物の50%は,2年以内に再処置となる。  図9は,この調査のときに偶然発見した一例である。このケースでは,筆者が初診医であった。 1歳6か月児歯科健診で齲蝕を指摘され上顎前歯にサフォライド塗布を行った。しかし,齲蝕は 臼歯部にまで広がり,2歳過ぎにやむをえず上顎の第1乳臼歯にアマルガム充填を行った。その後, 筆者は岡山大学に赴任し,患児の経過を把握していなかった。この歯科医院には,保護者や本人が 齲蝕に気づいたり,学校歯科検診で齲蝕を指摘された時のみ通院していた。また担当医も数度 代わっていた。ところが,すべての乳臼歯が交換するまでに,のべ44回も治療が繰り返されており, 1歯あたりでは5.5回の治療が施され,しかも12歳時のDMFは7歯であった。その場限りの歯科治療だけ では,なんら健康な永久歯の獲得にはつながらないことがわかるし,まじめに受診してきた保護者と 患児が,気の毒としか言いようがない。きっと,永久歯でも同じことが繰り返されるに違いない。 この歯科医院は,当時地域で唯一の歯科医療機関であり,出生数が多く齲蝕も非常に多かった。 そのような環境で,齲蝕治療に明け暮れていた歯科医院を責めるわけにもいかない。

 齲蝕の多発時代では歯科医の目からは,患者を図72のように見えていたのではあるまいか。 また患者の目からは,歯科医を図73のように映っていたのではないだろうか。
図72
図72
図73
図73



 しかし現在は,社会背景も大きく変化し歯科医師数も増加の一途をたどっている。 そんな時代に,このようなケースが存在することは,許されるはずがない。さて先日 の新聞の記事によると,現在の歯科医院数はコンビニの店舗数の約2.2倍であるという。  そのコンビニですら,閉店の聞きに陥っている店舗が多い。そこで各チェーン店では, 有名料理店の弁当など独自性を持った商品を開発し,生き残り作戦をかけている。  歯科医院も地域で特徴ある歯科医療を提供していく時代を迎えているように思う。




時間軸から歯科治療を考える



図10
図10
図11
図11
 さて図10は,先ほどの研究で,齲蝕処置後も定期健診を繰り返した場合の,乳臼歯修復物の 使用年数である。対照群において乳歯修復物の約50%は,1年半から2年の使用期間でしかな いが,定期健診群では約1年使用期間延長している。定期健診を行うことにより,修復物の 予後が向上することがわかる。

 このことは,永久歯の齲蝕処置でも同様である。図11は,小学校1年生の口腔である。 学校歯科検診の場では,乳歯の残根が要治療乳歯となる。しかし,第1大臼歯の将来については, 見逃されがちではなかろうか?
 仮に要観察歯(COシーオー)と診断しても,何ら指導がなされない限り,齲蝕になるまで待つ 要観察歯となるのではないだろうか。この時点で健全歯であるとしても,口腔環境が変わらない 限り,いずれは齲窩ができることだろう。歯科医療従事者の目には,この第1大臼歯に,すでに 齲窩が存在するように見える必要があるように思う。一般に,患者にとっての歯科治療とは, 充填や抜歯を意味している。しかし我々は,将来の状態を推測することができる。
図12
図12
図13
図13

 齲窩ばかりに目がいき,口腔内環境が改善されなければ,数年先には図12や図13の様な状態に なるだろう。

 さらに先の70年後には,図14のようになるかもしれない。
 小児期からの齲蝕処置を繰り返すばかりでは,この様な悲惨な状態を作りかねない。

 そこで学生教育では,図5の乳歯冠に付着したプラークを見たとき,8028を達成した健全な 口腔をイメージ(図15)するように教えている。そして,この患児が将来このような口腔の 健康を獲得するためには,どのような診療をすれば良いか?どのようなことを保護者に伝え ればよいか?いかに子ども達にわかりやすく伝えるか?そして,対社会的にどのような活動 をすれば良いか?このように伝えると,次世代を担う歯科医師が,大切にしなければならな いものが見えてくると思う。すなわち歯科医療を,時間軸という"ものさし"から,予後を判定 する必要があると思われる。 図15
図15



歯の攻撃因子について



 そのためにも定期健診は,重要である。定期健診では,保健指導を始め,齲蝕活動性試験, フィッシャーシラント(図16),フッ化物塗布,PMTC(Professional Mechanical Tooth  Cleaning)(図17)等を行っている。なかでも齲蝕活動性試験による,齲蝕増加の予測性は, 定期健診の必要性のための動機付けとして非常に有効である。

 齲蝕は歯を攻撃する因子と防御する因子のバランスの乱れによって発症する(注:アタック ・ディフェンスパワーバランス説 下野による1985年)。歯を攻撃する因子は,ミュータンス 連鎖球菌や乳酸桿菌数,それに酸を作る能力である酸産生能があり,歯を防衛する因子として 唾液緩衝能や唾液流出量等がある。(図19)
図16
図16
図17
図17
図19
図19
さらにこの両因子を測る齲蝕活動性試験を組み合わせることで,より的確に齲蝕を把握することが 可能になる。(図20.21.22)

図20
図21
図22
図20 図21 図22


 前回は,齲蝕の歯を防衛する因子を測るCAT21Buf(唾液緩衝能テスト)(図23)につい て述べたので,今回は歯を攻撃する因子について述べる。 図23
図23



 現在,歯の攻撃因子を測る齲蝕活動性試験法としては
1. 酸産成能を測る方法:CAT21Test(Cariostat(CAT)法)
2. 齲蝕原性菌数を調べる方法:(DentocultR-SM Strip Mutans,DentocultR-LB,Caries Risk Test(CRT),ミューカウント)
3. その他:RDテスト
などが市販されている。

  齲蝕活動性試験法には多くの方法があるが,Snyderが述べている以下の所要性質を満たしているものは少ない。
1) 試験の結果と口腔内の臨床所見と高い相関性があること
2) 試験結果に再現性があること
3) 短時間で結果が得られること
4) 試験方法が容易で簡便であること
5)1回あたりの試験費用が安価であること。
他の所要性質として,
6)安全であること 
7)すべての対象に応用可能であることもあげられる。

それぞれの齲蝕活動性試験には,利・欠点があるので,各齲蝕活動性試験における,所用性質について大まかではあるがまとめた。(表1)

表はここをクリックしてください

現在,多用されているDentocult-SM Strip Mutans法やDentocult-LB法は,齲蝕原性菌数を調べる方法である。一方,CAT21Test(Cariostat法)は,ミュータンス連鎖球菌および乳酸桿菌等の齲蝕原生菌の酸産生能を調べる方法である。図24は,代表的な3症例の齲蝕活動性試験の判定結果と口腔内写真を提示した。それぞれの検査法の判定結果と口腔内状態には関連があることがわかる。 (図24)

図24
図24
図24
図24_1 図24_2 図24-3




唾液と歯垢 検体の利・欠点


 現在,多くの齲蝕活動性試験は,齲蝕原生菌数を測る方法が用いられているが,これらの検査法が,唾液を検体としている。これは一定量の唾液から採取すれば,一定量の齲蝕原生菌数を測ることが可能であり標準化しやすい。一方,歯垢から一定量の細菌を採取することは困難である。しかしながら,小児や高齢者・障害児者から唾液を採取することも難しい。 ところで,唾液を検体とする方法の多くは,パラフィンを噛むことによって分泌される刺激唾液である。しかし本来,唾液は無菌状態で分泌されるものである。すなわち"刺激唾液"で調べている齲蝕原生菌は,噛むことにより歯牙表面の歯垢や舌の表面の細菌が剥がれ落ちたものであり,唾液中の細菌数を調べているのではない。 一方,酸産生能調べるCAT21Testは,綿棒で歯牙を拭い歯垢を採取するので,すべての対象に応用が可能である。本章では,CAT21Testを中心に述べる。


CAT21Testの原理について


図25
図25

 Cariostat法(CAT21Test)は,下野により開発された齲蝕原生菌の酸産成能を測る一連の方法 を指している。本法の色変化の原理を簡単に説明する。アンプルには,蔗糖とpH指示薬を主成分と した試薬が入っている。このアンプルに,綿棒で上顎すべての歯の歯頚部を2〜3度拭き取った歯垢 を投入後,48時間37℃で培養する。アンプル中では,歯垢に含まれる齲蝕原生菌が砂糖を利用して 酸を出す。この酸の程度によって青(0,pH7.2〜5.7)から緑(+1,pH5.7-5.0),黄緑 (+2,pH5.0-4.4),そして黄色(+3,pH4.4-3.8)へ色変化する(図25)。


図27
図27

 通常,色変化に応じて四段階に判定するが,最近ではその中間値を採用し七段階(0(pH6.0以上), 0.5(pH5.9〜5.7),1(pH5.6〜5.2),1.5(pH5.1〜4.9),2(pH4.8〜4.6),2.5(pH4.5〜4..3), 3(pH4.2以下)判定することが多い。  判定は,48(±6)時間培養後に付属の判定色見本と比較し行う。可能であれば,24(±3) 時間培養時にも判定し,結果を記録する。(図27 判定色見本)

 判定結果は,付属の判定結果票に記入し,保健指導に利用する。
(成人用 28.29 小児用 30 学童用32,33)

図28
図28
図29
図29
図30
図30
図32
図32


一口メモ:CAT21Test培地に蔗糖を用いる理由
 通常,細菌検査の培地は,炭素源としてブドウ糖を用いている。これは,ほとんどの細菌は, ブドウ糖をエネルギー源とするためである。一方,本培地は,蔗糖を用いている。これは,齲蝕 原生菌の選択性を高めるためである。そのため,歯の表面で起こっている齲蝕の原因論が,その ままアンプルの中で再現されている。また砂糖をターゲットとしているから,子ども達に対しても 教育的効果が高い。




CAT21Testキットの構成(写真34)

図34
図34


1:テストアンプル
2:滅菌綿棒
3:判定用色見本
4:判定結果票


これまでの多くの齲蝕活動性試験は,判定のメカニズムを患者にわかりやすく説明することが 容易ではなかった。  そこで本システムでは,患者に対する動機付けを容易にするために,

1:むし歯のメカニズム  
2:CAT21Testの色変化のメカニズム 
3:検査結果からわかること 
4:むし歯の増加予測 
5:むし歯の多い小児とない小児の体重の比較
6:検査結果と注意点 

についてまとめたパンフレット(判定結果記録用紙 カラー刷りA5版4ページ )を用意している。 これが本製品の大きな特徴である。
今後,治療終了時用(定期健診用),学童期用を順次作製予定である。


図35
図35


 また,パンフレットのすべてのページをA4,B4に拡大し,ラミネート加工を施して, 診療室のみならず,保健センターや学校における保健指導に活用できるようにしている (別売)(図35)。 またCAT値の結果を培養後,郵送するためのハガキも準備されている。 (図36 結果通知用ハガキ)
図36
図36


保健指導一口メモ:小児にむし歯のメカニズムを伝えるとき

 ○○ちゃんは,ご飯を食べるとウンチをするでしょう。口の中のミュータンス菌は,○○ちゃんが 食べた砂糖を,今度は口の中で食べて,ウンチやオシッコをします。むし歯菌のウンチが"歯垢"で オシッコが"酸"です。
 むし歯菌のウンチは,ベタベタしていて歯にくっつく性質があり,その下では、 むし歯のオシッコ である酸によって歯が溶かされます。 これがむし歯です。(図37)
図37
図37


保健指導一口メモ:小児にCAT21Test色変化のメカニズムを伝えるとき

 むし歯菌のオシッコは,むし歯菌によって異なります。あなたのお口の中にいるむし歯菌は, 強い酸を出すむし歯になりやすい菌か,酸を出さない弱い菌かを調べる検査です。この検査により, むし歯になりやすさがわかります。(図38)
図38
図38


保健指導一口メモ:検査結果からわかること

 これまでの疫学調査により,検査結果と生活習慣との関係について書かれてあります。 判定結果が悪い場合,悪い項目を減らすことで,検査結果が改善される可能性が高いと言えます。  また同時に,検査結果が良好なまま維持するための方法についても書かれています。(図39)
図39
図39


保健指導一口メモ:むし歯と小児の成長発達との関係を伝えるとき

 3歳児でむし歯の多い小児の平均体重は15kg,むし歯のない小児では17kgとむし歯が多いと, 食物が噛めないので成長発達に影響していることがわかります。  ちなみに,むし歯が多い小児の治療が終了した1年後には,両者の体重が同じであったという 研究があります。  歯は,むし歯になるために生えてくるのでもなければ,磨くために生えてくるのでもありません。 やはり歯は,食物を噛むことによって成長発達を促進するために生えてくるのです(図40)。
図40
図40




CAT21Testの臨床応用について


 齲蝕活動性試験は,1980年頃保険診療に組み込まれたが,現在は適用外となっている。 この理由の一つとして,当時まだ小児の齲蝕が多い時代であり,高リスクの判定結果ばかり となったことがあげられる。すなわち,歯科医院に齲蝕を主訴として来院する小児を対象として 行っていたので,"CAT法を使っても黄緑や黄色の悪い結果ばかりにしかならない。"等と多く の先生から言われた。  そこで教室では, 1歳6か月児歯科健診での応用等,まだ齲蝕のない子供達を対象として齲蝕増加 の予測性に関する研究を進めてきた。たとえば図41は,1歳6か月時のCariostat(CAT)値と半年後 の齲蝕の増加との関係である。CAT値の結果が悪いほど,半年後の齲蝕の増加が多いことがわかる。 図41
図41
図71
図71
 効果的な齲蝕予防が可能だろうと考えた。だからCAT法は,公衆衛生を中心に利用されてきた。 現在でも,1歳6か月児歯科健診で利用されている地域は多い。
 ところで近年,山形県の熊谷 崇先生を中心としたグル−プが,Dentocult-SM Strip-mutans, Dentocult-LB等を応用し,リスク分析により予防管理に応用されたことをきっかけとして,診療室 における齲蝕活動性試験が再評価され始めた。
 さらにレ−ダーチャートの考案や,経年的に口腔内写真を撮影され資料を保存されてきたことは 素晴らしいと言うしかない。
 我々の診療室でも,齲蝕の軽症化が進むとともに,齲蝕予防管理を主訴として来院する患児が増加 している。CAT値の分布でも齲蝕治療の主訴群に比べ齲蝕予防主訴群では,+1が多く+3が少 ない。(図71)
 このことからも齲蝕治療を主とする小児歯科から,予防管理が主たる小児歯科医療へと大きく転換 を迫られている時代であり,齲蝕活動性試験の応用法を見直す時期に来ていると考えられる。




CAT値と齲蝕の現症との関係


 本法と齲蝕の現症とは,非常に強い関係が示されている。(図42.43)

また24時間の判定結果と中学生における歯周病との間にも強い関係があることが証明されている。 (図44)これは本法の24時間判定結果は,歯垢量の影響を受けやすい。この年齢の歯周病の多くは, 歯垢による不潔性歯肉炎であるため,関係を示したと思われる。なお歯垢量とCAT値の判定結果との関係 については後述する。
図42
図42
図43
図43
図44
図44




CAT値と齲蝕増加の予測


図45
図45

 次に,本法の予測性について,これまでの疫学的研究を紹介する。
 図45 は,1歳6か月で齲蝕のない小児のCAT値と3歳時の乳歯の平均齲蝕歯数(df歯数)の関係 である。CAT値が低リスクに比べ高リスク群では,3歳時のdf歯数が2倍多く,齲蝕増加の予測性が あることがわかる。
図46
図46

 次に,図46は同一対象者の1歳6か月時のCAT値と6歳時の平均df歯数の関係である。1歳6か月で 低リスクの小児は,6歳時のdf歯数は少ない。しかし3歳時の結果と比べると,その差が減少して いる。すなわち1歳6か月時から6歳時では,生活習慣等の変化により,予測の精度が低下している。
図47
図47

 そこで,1歳6か月時と3歳時のCAT値を組み合わせた。両者が低リスク群の場合では,6歳時の 平均df歯数は約3.7歯に対し,両者が高リスク群の場合9.7歯になり,予測の精度が向上する。 (図47)

 すなわち,本法によるリスク判定は,定期的に行う必要がある。また低リスクから高リスクへ 悪化したグル−プ(低-高群)は,齲蝕が急増する可能性が高く要注意である。逆に,高リスクから 低リスクへと良くなったグル−プ(高-低群)は,6歳のdf歯数が低い。
図48-1
図48-1

 図48(48-1,48-2)は,3歳時のCAT値と10年後(12歳時)の永久歯の齲蝕歯数(DF歯数) の関係である。3歳で高リスク群の方が,低リスクに比べDF歯数は1.5歯多い。

 ここに6歳時のCAT値を組み合わせたところ,両者が低リスク群の場合では,12歳時の平均 DF歯数は約3.1歯に対し,両者が高リスク群の場合5.4歯になり,DF歯数の絶対値が広がることが わかる。


 このように齲蝕活動性試験は,単発で行うのではなく,その変化をフォローすることが重要である。
図48-2
図48-2
図74
図74

 また中学生において,CAT値は齲蝕の現症や増加と関係が深いことがわかる(図74)。
 図49はCAT値の変化と臨床的に考えられる,口腔内状態のパタ−ンを模式化した。 齲蝕活動性の変化により,齲蝕の進行や抑制など,さまざまなパターンが考えられる。
図49
図49



齲蝕処置がCAT値におよぼす影響



 図50は,齲蝕処置前後のCAT値の比較である。齲蝕処置前ではほとんどのケースがCAT値+2.5, +3.0と齲蝕活動性が高い。しかし,処置終了後においては約80%が2.0以下になる。この理由として, 口腔内の乳酸桿菌数の減少が考えられる 。

図50
図50

 図51は,CAT値と乳酸桿菌数との関係について調べたものである。CAT値+2.5以上では,約80%に 乳酸桿菌が存在していることがわかる。

図51
図51

 図52は,幼稚園の歯科検診で,齲蝕の未処置歯群・処置終了群・健全歯群に分けてDentocult-LB により乳酸桿菌を調べたものである。処置終了群と健全群は,乳酸桿菌が少なく,ほぼ同じ分布である。 このことからも齲窩の有無と乳酸桿菌数は強い関係があることがわかる。

図52
図52

 一方,図53は,同一対象児のミュータンス連鎖球菌数(Dentocult-SM)の分布である。未処置歯保 有群と健全群のミュータンス連鎖球菌数の差は,図52の乳酸桿菌数の差ほど著明ではないことがわかる。

図53
図53

 図54は,同一対象児のCAT値,ミュ−タンス連鎖球菌数(DentocultR-SM),乳酸桿菌数 (Dentocult-LB)とd歯数との比較である。乳酸桿菌数の高リスク群と低リスク群のd歯数の絶対値は, ミュ−タンス連鎖球菌数より大きい。
図54
図54
 このようにミュータンス連鎖球菌・乳酸桿菌数と齲蝕の現症との関係について調べると,ほとんどの 研究において乳酸桿菌数の方が強い。





一口メモ:ミュータンス連鎖球菌と乳酸桿菌
 ミュータンス連鎖球菌は,デキストランを作り歯面に付着し,その直下では酸が持続的に放出され 脱灰が始まり,齲蝕の初発と関係する。
 一方,乳酸桿菌は歯面への付着能がないため齲窩等,自浄作用が働かない部位に住み,そこで酸を 産生するため齲蝕の進行と関与する。また矯正装置を装着することにより増加する。しかし,充填処置 により齲窩が閉鎖すると乳酸桿菌数は減少する。




定期健診への応用

 一方,ミュータンス連鎖球菌数は齲蝕の初発と関係するため,処置終了後も菌数が多いと, 齲蝕が再発する可能性が高い。さてCAT値も齲蝕治療の直後は一次的に低下する。しかし,また 元の値に戻るにつれ二次齲蝕が起こることを経験する。このことは,齲蝕処置を完了しても 齲蝕活動性が高ければ,二次齲蝕や新生齲蝕の原因となることを意味している。
 図55は,齲蝕がないか処置を終了している幼稚園年長児のCAT値と,以後の永久歯齲蝕の増加 である。CATが高いほど,永久歯の齲蝕増加が多いことがわかる。すなわち処置終了時のCAT値が 高い状態にあれば,以後も二次齲蝕や新生齲蝕が起こる可能性が高いことがわかる。

 これらのことより,CAT値は定期健診の間隔を決める一つの指標としている(図56)。もちろん, 口腔内の状態(齲蝕・CO・歯肉炎),刷掃習慣(歯垢の付着程度),食生活習慣(間食の摂取状況) によって幅を持たせている。
図55
図55


図56
図56
齲蝕処置後のCAT値について代表的な3ケースを紹介する。
 症例Aは,CAT値が低リスクで安定しているケース(図57)である。
 CAT値が最高で1.5で,齲蝕活動性が低位で安定している。第1大臼歯の萌出に向けて良好な 口腔環境である。
図57
図57


図58
図58
 症例Bは,CAT値が高リスクを持続している。(図58 )
 処置終了後も齲蝕活動性が高く,処置が細菌の質的な変化には至っていない。頻繁なリコールで TBIやフッ化物の局所塗布を行い,CAT値の変化をチェックし食生活や生活習慣の指導を行い,齲蝕 活動性の低下を目指している。この状態では,永久歯齲蝕が心配である。


図59
図59
症例Cは,CAT値が改善されているケース(図59 大p97右)である。
 初診時のCAT値が2.5と高かったが,齲蝕処置とともに,CAT値が改善され現在では1.0以下である。 前歯部の齲蝕が進行停止しており,今後レジン修復する予定である。この状態を保ち健全な永久歯列 の育成を目指している。


 すなわちミュータンス連鎖球菌をコントロールすることが,定期健診の意義と言える。  以上のことから修復処置終了後においても,CAT値やミュータンス連鎖球菌の動態を検査する 必要がある。
 さて,ミュ-タンス連鎖球菌は,一度口腔内に定着すると,完全に除去することが困難とされている。 唾液中のミュ-タンス連鎖球菌数は,クロロヘキシジンをトレー法で作用させる3DS(Dental Drug Delivery System)やプロフェッショナル・ツ−ス・クリーニングを用いた予防計画により減少する ことが知られており,定期健診時における応用が期待されている。




指導効果とCAT値について



図60
図60
 図60は,3歳で歯科医院を訪れ,以後12歳まで1年に4回定期健診を受けた小児の12歳時の DF歯数である。コントロール群では,初診のdf歯数が多いほど,12歳時のDF歯数が多く平均4.8 歯である。しかし定期健診群では,初診時のdf歯数に関わらず,12歳児のDF歯数は約1.4歯とな っている。
 CAT法は,初診時,処置終了時および定期健診時に行っている。定期健診では,@歯磨き指導 A生活習慣や間食習慣に対する指導Bフッ化物塗布C予防填塞を行うとともに,CAT値が急激に 悪くなった場合には,その間隔を短くしている。


図61
図61
 次に,保健センターにおける乳幼児の齲蝕予防教室の例である。齲蝕予防教室の受講群と 非受講群の齲蝕罹患状態を比較すると,受講群の方が3歳時の齲蝕は少ない。(図61)


 しかし,受講群は,齲蝕予防に熱心な集団であった可能性が考えられる。そこで受講群と 非受講群の1歳6か月児歯科健診時のCAT値を調べた。(図62)
 その結果,1歳6か月時に高リスク群でも,3歳時のdf歯数は,受講者群1.9歯,非受講者群 では5.0歯となっている。すなわち,1歳6ヵ月時のCAT値が同じであっても,受講群は齲蝕が 少ない。さらに低リスクの受講群(2.1歯)より,高リスクの受講群(1.9歯)の方が齲蝕は少 なかった。
 ちなみに1歳6か月時で高リスク群であっても,受講群は49%(26/53名)のCAT値が改善され たが非受講群では29%しか改善されていなかった。
図62
図62



定期健診で応用するための基礎資料
図63
図63
歯垢量の変化と判定結果について(図63)

 アンプルに48時間後の結果が,黄緑色(+2.0,pH4.8)にまで変化する歯垢を3倍づつ希釈 し投入した。歯垢量を1/3,1/9にしてもほとんど結果は変化しない。1/27にすると48時間値 では変化が少ないが,24時間で変化している。
 このことは,48時間値は変化がなくても,24時間値が良くなれば,歯垢量が減少し保健指 導の効果が出てきた可能性があることを意味している。実際の臨床でも48時間値が改善され る前に,まず24時間値が先行して変化するケ−スが多くみられる。一方,歯垢量が1/243で は,緑色(+1・0,pH5.4)となった。しかし,通常の歯磨きでは,歯垢量はそこまで減少し ない。歯科衛生士学校における調査では,歯磨き前後での細菌数の変化はせいぜい1/10程度 であり,1/100まで減少する者はほとんどみられなかった。




細菌の種類とCAT値について
図64
図64
 本法は,あくまで齲蝕原生菌の菌数を調べるものではなく,酸産生能を調べる方法である。
 しかし,種々の菌と判定結果の関係について理解しておくと,使用に当たっての参考になるの で簡単に述べる。
 種々の菌株(108CFU/ml)をCAT培地に投入し培養した。(注CFUとは菌の数を示す)(図64)
 横軸が培養時間,縦軸がCAT培地のpHと色変化を示している。上が中性で青色,下になるほど pHが低くなり黄色に色変化する。齲蝕とは無関係の菌。例えばカビの一種であるカンジダ菌(C.al bicans)や大腸菌(E.coli)を加えてもpHは7.0であり,色変化しない。


 その他,齲蝕とは無関係の連鎖球菌群を加えても,pH5.0から5.5までしか低下しない。これは 色判定で1.0〜1.5(緑色)である。(図65)


 ところがミュータンス連鎖球菌では,pHは4.8まで低下し,黄緑色(2.0)となる。(図66) すなわち黄緑までの色変化は,ミュータンス連鎖球菌の存在の可能性を意味している。

 次に,ミュータンス連鎖球菌の量を変化させる。(図67)
図65
図65
図66
図66
図66
図67
 108CFU/mlのミュータンス連鎖球菌では,12時間でpH5.0まで急激に低下し,24時間後には pH4..8となる。
 しかし菌数を1/1000(105CFU/ml)に希釈すると,24時間後にpH5.0となり,その後pH4.8 に到達する。さらに菌数を少なくして,最初の1/100,000(103 CFU/ml)にした場合24時間 では色変化が少ないが,48時間ではpH5.0近くまで低下した。すなわち,ミュータンス連鎖球菌 の場合,極端に希釈した場合を除いて,希釈により24時間の判定結果には影響を与えるが,48時間 では,あまり菌数に影響されないことがわかる。



細菌学一口メモ:菌数によってpH低下の速度が異なる理由
 この理由を理解が容易となるように簡単に述べると,蔗糖量が一定の場合,ミュータンス 連鎖球菌が多いと早く食べ尽くす。そのため急激にpHが低下する。ところが菌数が少ないと, 少量の蔗糖しか消費しないので,pHの低下は緩徐になる。しかし菌が増殖してきたら,pH低下 のスピ-ドは早くなるが,pH4.8以下では,生育できない。したがって,ほぼ同じpHに到達して 反応が止まる。


細菌学一口メモ:細菌数の表現方法
 一般に細菌は,あまりにも数が多いので10n個(10nCFU/ml)と表現する。
 細菌学一口メモ:ミュータンス連鎖球菌数が,どの程度でハイリスクと考えるか?
 CRT法の場合,ミュ−タンス連鎖球菌のレベルを105CFU/ml以上と,104CFU/ml以下に分けている。 またDentocult-SMでもミュ-タンス連鎖球菌の最も多いクラス3が106 CFU/ml以上,クラス0や1のミ ュ-タンス連鎖球菌の少ない104 CFU/ml以下で,両者の間104 CFU/mlをクラス2としている。 (注Dentocult-SM Strip mutansの添付資料を元にした。記事によっては,スコア0を0 CFU/ml, スコア1を105 CFU/ml,スコア2を5×105 CFU/mlとしている。)
 従ってミュータンス連鎖球菌が105CFU/ml以上では,ハイリスクと考える。
 ちなみに108CFU/mlの値は,唾液中の総菌数の値とほぼ同程度であり,唾液中の細菌がすべて ミュータンス連鎖球菌の場合に相当する。だからまず起こりえない菌数といえる。




乳酸桿菌数とCAT値について


前述したように,ミュータンス連鎖球菌はCAT培地のpHを4..8付近(2.0,黄緑色)まで低下させる ことができる。それ以下の黄色(2.5,3.0)まで色変化させることが可能なのは乳酸桿菌である。 乳酸桿菌は,菌種により異なるが108CFU/mlを加えることにより,pHを4..0程度まで低下した。(図68)
 しかし,CAT倍地は炭素源として高濃度の蔗糖を用いており,乳酸桿菌は蔗糖を有効に利用できず, 菌数が少ないと色変化はあまり起こらない。現在のところ,ミュータンス連鎖球菌が共存すると最初 にミュ-タンス連鎖球菌が蔗糖を利用してpHを下げ,pH4.8〜5.0付近になると耐酸性のある乳酸桿菌 がpHをさらに低下させると考えている。

 現在,DentocultR-SMとDentocult-LBは,高価であるためすべての対象に応用することは 効率的とはいえない。そこで,CAT法により一次スクリーニング行い,さらに深く調べたいとき にサリバテストでミュータンスや乳酸桿菌数を測るのも一つの方法であると考えている。
図64
図64




CAT値を改善させるために


1:CAT値を改善させる方法は,まず齲蝕処置を行い。乳酸桿菌がいない環境を作る。
2:その後,ミュータンス菌のコントロ−ルを行う。

 ミュータンス連鎖球菌は,一度定着したら除菌が困難とされている。
 一般的には,除菌のためには,3DS(Dental Drug Delivery System)が有効といるされている。
 しかし臨床的には,乳幼児は,成人に比べCAT値が変化しやすいことを経験している。齲蝕が存在 しCAT値が2.0以上であった小児が,齲蝕処置や定期健診で1.5以下になれば,ほぼ良好な口腔環境で あると考えている。可能であれば1.0を目標としている。
 ここでCAT値を良好にさせる臨床上のヒントについて述べる。
@CAT値は,歯磨きだけでは改善され難い。むしろ砂糖の制限によりミュータンス連鎖球菌が 住みにくい環境を作ることが重要と考えている。
 また低年齢児のCAT値が急に悪化した場合では,甘い味を覚えた等の問題点がないか聞いてみると, 当たっていることが多い。このようなケースは,その指導だけで改善されることが多い。



保健指導一口メモ:間食と歯磨きの関係
 間食と歯磨きの関係は,部屋にゴミを散らかすことと掃除に例えることができる。
 すなわち,ゴミを散らかさないようにするか?掃除をしてきれいにするかである。
 CAT値は,部屋の環境を表しているように思う。きれいに掃除をすることより,ゴミ を溜める環境の方が問題である。



保健指導一口メモ:ミュータンス連鎖球菌の伝播と定着について
 最近,ミュータンス連鎖球菌の家族内感染が話題になっている。
 このことを,電車の乗客を例にして,説明すると理解しやすい。
母体内において乗客(細菌)は,誰もいない。始発駅で乗車するのは,乳酸桿菌の乗客である。 これは出生時に産道で感染する。続けて,歯の萌出駅(時)を通過すると,ミュータンス連鎖球菌 が乗車を始める。この乗客は,出発して19から31か月の駅の間に乗車し,19か月駅で25%,31か 月駅で75%に乗車率となる。(注この時期は"感染の窓"と呼ばれる)
 ミュータンス連鎖球菌を乗車させると,なかなか下車してくれないし,列車が破壊される危険性 が増す。
 この乗客は,好みの列車があり,座席(蔗糖)の多い列車である。座席の少ない列車には乗りた がらない。
 すなわち口腔をミュータンス客が,乗車しにくい列車にすること(ミュータンス菌の伝播を防ぐ )が重要で,そのためにも砂糖を与えないことが重要である。
 そしてこの時期にミュータンス客を乗車させなかったら,それ以後は他の乗客(他の細菌)が 乗車し満員になる(細菌叢が完成)。こうなるとミュータンス客は,なかなか乗車できなくなる。 また,同時に歯の石灰化も進み(萌出後成熟),齲蝕が発生し難くなる。


 A乳歯の脱落期は,CAT値が一時的に低下させやすい時期である。
 経過観察中の未処置歯や不良充填物が脱落する時期。問題のある歯が次々に交換するとき, その歯にまつわる細菌数も減少すると考えられる。
 一般に小学校低学年で高いCAT値が,高学年に近づくと低下する。
 歯の脱落期に一時的に細菌数が減少するので,齲蝕活動性が低下する。それを維持する取り組み が重要である。




最後に "金太郎型医療"から"桃太郎型医療"への転換


 現在,歯科医師過剰の時代と言われており,大学や学生数の削減についても議論されている。 この問題は,従来と同じ歯科医師を育成するのであれば,永遠に解決しなであろう。しかし,こ れからの時代に,真に必要とされる歯科医師を育成するのならば話は別であり,大学ではそのよ うな教育を目指す必要がある。  さて図69は,岡山駅前の"桃太郎像"である。筆者は,学生に岡山大学出身であるから"金太郎 型歯科医療"ではなく"桃太郎型歯科医療"を心がける必要があると話している。  金太郎は,一人で動物達と相撲をとっていた。歯科医師も形成や充填処置・抜歯,義歯の印象 装着等,まさに孤軍奮闘していたと言える。また"金太郎飴"は,どこで切っても同じ顔が出てくる。 良くいえば画一化,悪くいえば個性の喪失と考えられる。  一方,桃太郎は,イヌやサルそれにキジを従え,鬼を成敗した。すなわちスタッフを従え, それぞれの特徴を活かしながら成功したといえる。これまでの歯科医療は,治療中心であった が,治療と予防は車の両輪のように表裏一体をなすものである。今後はコ・デンタルスタッフ とともに,仕事の役割分担を明確にしながら進めて行く必要があり,これが"桃太郎型歯科医 療"である。(図70)いずれにせよ,これからの今後の歯科医療では,長期展望にたった"かかり つけ医"としての能力が求められている。そのためにも,齲@活動性試験を用い,患者管理に有効 に利用することが重要と言えよう。  
図69
図69
図70
図70

図1-1




参考文献
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